「オールインする」という表現は、何かに対して完全にコミットする行為を指す言葉です。たとえば、チームAは今年、移籍市場に多額の資金を費やしたという文章であれば、そのチームはオールインしてチャンピオンシップタイトルを狙っていると言えます。
ポーカーでいうところの「オールイン」も同じような意味です。本記事では、ポーカーでオールインすることの意味、オールインするときのルール、複数のプレイヤーがオールインしたときにメインポットはどうなるのか、いつオールインするのがベストなのかについて探っていきます。
オールインに慣れているプレイヤーも、ポーカーで新しい戦術を使いたい初心者も、ぜひじっくり読んでみてください。
ポーカーで「オールイン」とはどういう意味?
ポーカーにおけるオールインとは、現在のポットに自分のチップをすべて投入する行為を指します。自分のハンドが他のプレイヤーに負けた場合すべてのチップを失うことになるため、非常にリスキーな行為と考えられています。
「プッシュ」または「ショブ」とも呼ばれ、オールインはどのベッティングラウンドでも実行可能ですが、通常はゲームの後半のステージ、主にショーダウンで行われます。
いずれにせよ、オールインはベットとみなされるため、オールインしたプレイヤーはポーカーテーブルの他のプレイヤーからベットをコールされる可能性があります。この場合、ベストハンドが合計ポットを獲得しますが、他のプレイヤーに残っているチップがオールインプレイヤーのベット額よりも多い場合、やや複雑な状況に陥ります。このあたりの事情については、後ほど詳しく説明します。
あるプレイヤーがオールインし、他のプレイヤーがフォールドした場合、オールインしたプレイヤーにはポットがすべて与えられます。実は、これがオールインベットの理想的なシナリオなのです。
オールインポーカーのルール
キャッシュゲームとしてポーカーをプレイしていない場合、オールインに関してそれほど多くのルールがあるわけではありません。本物のチップが絡むと、状況は複雑になります。
それでは、チップの束を全てポットに投資する際の注意点を見てみましょう。
ポットリミットゲームではどうなるのか?
ここで質問です。すべてのチップをベットしたのにも関わらず、フルレイズには足りない場合はどうなるのでしょうか?
これは「フルベット」ルールと「ハーフベット」ルールのどちらが有効かによって異なります。ここでは、その2つを簡単に紹介します。
- ノーリミットゲーム(つまり、ノーリミットベッティング構造のキャッシュゲーム)では、通常、フルベットルールが有効です。つまり、オールインした金額が最小ベット額または前回のレイズの全額を下回る場合、その金額はレイズと見なされ、ベットは終了します。
- 一方で固定リミットゲームでは、ハーフベットのルールがよく見られます。このルールでは、オールイン額がミニマムベットの半分を超えたらレイズとみなし、ベッティングをオープンにします。
上記を説明するには、例を考えてみるのが一番です。
例えば、プレイヤーAがポットに100ユーロをベットし、プレイヤーBが110ユーロでオールインすることにしたとします。追加の10ユーロではフルレイズと見なすには不十分であるため、後続のプレイヤー(プレイヤーC)は引き続きレイズ可能です。これは、プレイヤーBのオールインはレイズとみなされないためで、プレイヤーBのチップが増えたにもかかわらず、レイズというアクションが可能であることを意味します。その後、プレイヤーAはプレイヤーCが行ったベットをコールまたはレイズできるようになります。
逆に、プレイヤーCがコールした場合、プレイヤーAは再度レイズすることができなくなります。この時点で、プレイヤーAは追加の10ユーロをコールし、90ユーロのサイドポット(プレイヤーCからのコールによるもの)を競うことができます。
サイドポットの作成
2人のプレイヤー同士のゲームでは、これ以上ないほどシンプルな仕組みになります。オールインベットに見合うだけのチップを持っていない場合、プレイヤーはできるだけ多くのチップを置き、それに比例した額しか獲得する資格がないことになります。
もし、3人以上のプレイヤーがいる場合は、ポットの正確なレイアウトについてしっかりと把握する必要があります。
- ポットに参加したいアクティブなプレイヤーは全員、ベットしたチップの最小額と同じ額をベットしなければなりません。ここで貢献したスタックは、メインポットへ送られます。
- 最もスタックの少ないプレイヤーは、大きなスタックを持つプレイヤーからの残りのベットと一致しなければなりません。このチップは、プレイヤー同士のサイドポットに入れられます。
ポーカーでオールインする方法
見事なフルハウスを手に入れ、テーブルに残っているプレイヤーに勝つ自信があるとしましょう。強い手札を生かすための策として、すべてのプレイヤーがコールしてくれることを期待してオールインすることにします。そうでない場合は、フォールドして何の問題も生じないようにすることができます。
オールインとは、チップの山を残さずにベットすることと同義であることは覚えておいてください。
実店舗型のカジノでは、オールインとは、プレイヤーがチップの山をすべてテーブルの中央に向かって押し出し、ディーラーに数えてもらう行為を指します。この動きは、スタックのサイズによって大きく変わります。
ショートスタックでオールインする光景はあまりドラマチックではありませんが、大きなスタックでオールインするのはどうでしょう?間違いなく何人かの注目を集め、テーブルに残っているプレイヤーをかなり不安にさせます。特に、競争できる強いハンドがない場合はなおさらです。
ポーカーでオールインするとどうなる?
さて、フルハウスでオールインした場合(先ほどの例)、以下のような結果になる可能性が想定できます。他プレイヤーたちは次の選択を迫られます。
- フォールド – ベッティングラウンドを放棄して、これまでにポットに投入したチップは没収。自分が対戦相手よりも良いカードを持っていると本当に思っている場合、ポットの金額が膨れ上がらないため、これは望ましい結果ではありません。
- あなたのベットをコール– つまり、他のプレイヤーがあなたのベットに合わせるということです。モンスターハンドを持っていて、ブラフやセミブラフをしていない限りこれが最も理想的なシナリオです。ショーダウンであれば、他のプレイヤー全員がアクションを起こした場合、それ以上のアクションはありません。ハンドが比較され、そのラウンドで一番良いハンドが決まります。
- レイズ-これは最も好ましくない結果です。まず、オールインの賭け金をレイズできるのは、そのプレイヤーがあなたより多くのチップを持っている場合のみです。このシナリオが起こり、他のプレイヤーがベットをコールした場合、サイドポットが作成されます。次に、オールインに対するレイズは、レイズしたプレイヤーが自分のハンドが本当に勝利するハンドであると信じていることを意味します。そうでなければ、対戦相手がそのような選択をする理由はありません。
それでも勝利をつかめれば最高です。十分な数のプレイヤーがオールインをコールしていれば、メインポットをすべて独り占めできます。しかし負けてしまった場合は、自分の持ち金を全額失うため、次のラウンドのために残高を補充しなければなりません。バイインが禁止されている場合、テーブルから離れる必要があります。
サイドポットとは?
前述したように、3人以上のプレイヤーが参加するハンドで、誰かがオールインする場合、シングルポットでは済まない場合があります。そのようなシナリオでは、メインポットとは完全に別のサイドポットを作成します。
まず、サイドポットに貢献したプレイヤーだけがサイドポットでスタックを獲得できることを覚えておくことが重要です。例えば、あるプレイヤーが (A) をオールインし、別のプレイヤー (B) がコールするのに対し、2人のプレイヤーがオールインベットの半分しかコールできない場合、サイドポットは最初の2人のプレイヤー (AとB) の間でのみ争われ、他の2人はメインポットのみを争うことになります。
サイドポットの計算方法
もしあなたがポーカーゲームを始めたばかりなら、サイドポットの計算方法を気にする必要はありません。オンラインポーカーではサイドポットは自動的に計算されますが、店舗型のポーカーではディーラーがすべてを管理します。一方、多くのポーカーゲームやポーカートーナメントに参加し、自分でもサイドポットの計算方法を学びたいと考えている方は、ぜひ読み続けてください。
テキサスホールデムをプレイしている3人のプレイヤーがショーダウンしている例で考えてみましょう。プレイヤーAは1,000ユーロのスタックでオールインします。プレイヤーBはオールインするものの、スタックはわずか500ユーロ。プレイヤーCもオールインしますが、たった120ユーロしかありません。
メインポットは一番小さいスタック、つまり120ユーロで構成され、このスタックは全プレイヤーから抽出されます。それとは別に、プレイヤーCより大きなスタックを持っているプレイヤーAとBの間でサイドポットが作られます。
したがって、サイドポットはプレイヤーAとBの残りのスタックを使って作られるわけです。この場合、プレイヤーBはすでにスタックから120ユーロを引き出しており、380ユーロ(500-120)がサイドポットに充てられます。
このように、サイドポットの大きさは、プレイヤーが持っているチップの数によって決まります。プレイヤーAは1,000ユーロでオールインしましたが、500ユーロ(プレイヤーB)と120ユーロ(プレイヤーC)しか持っていなかった残りのプレイヤーからその金額を引き出すことはできません。
ポーカーでオールインするベストタイミング
手持ちの資金をすべてポットに投入することは、それだけでリスクが高い行為です。だからこそ、自分のハンドに最も自信を持っているプレイヤーだけが実行します。とはいえ、テーブルの賭け金を膨らませてオールインする必要がありそうな以下のような場面もあります。
5 ベットする場合
オンラインポーカーのキャッシュゲームにおいて、ファイブベット (通常はプリフロップでベッティングラウンドの 3 回目のリレイズを指す) はオールインを正当化すると言われています。例えば、100のビッグブラインドのスタックを行使しているとします。ボタンは5ユーロでオープンし、スモールブラインドのあなたは20ユーロにレイズします。もしボタンが再度レイズしてきたら、自分のハンドが強いと判断して、オールインするのが理想的なプレイです。
大きめのスリーベットに対するフォーベット
大きなスリーベットに直面するのは簡単なことではありませんが、ライブポーカーのキャッシュゲームではよくあることです。このシナリオでは、ボタンが10ユーロでオープンし、あなたのビッグブラインドスリーベットは40ユーロ程度だとします。この場合、あなたの20ビックブラインドのスリーベットに対して、ボタンはオールインするはずです。
ポーカートーナメントでショートスタックにプレイッシャーをかける
ポーカートーナメントの終盤で大きなスタックに座っている場合、あなたは有利であると考えられています。スタックが小さいプレイヤーは、より大きなスタックを求めて賞金を自分で手に入れようとします。
大きなスタックを持っている場合、ショートスタックに対してオールインすることで、相手にフォールドまたはコールをさせることができます。手元にあるオプションが少ないと、オールインベットがショートスタックでコールされてしまう可能性があります。広いレンジでも可能ですが、リスクが高く、最終的にトーナメント中にダイナミックシフトが発生する可能性を考慮しておきましょう。
ショブはいつコールすればいいのか?
その質問に答える前に、ショブとは何かを概説しておきましょう。ポーカー文脈における「ショブ」とはオールインする行為を指します。この言葉は通常、ノーリミットホールデムなど、リミットベッティングのないポーカーゲームで使われます。
あるプレイヤーがショブをコールすべきかどうかは、複数の要因に左右されます。
- ゲームまたはトーナメントのステージ
- コールするのに必要なビッグブラインドの数
- 相手のハンドレンジ
- 自分のハンドレンジ
- 相手の行動
以上のような複雑な要因から、ショブをコールすべきかどうか、明確な答えを出すことは困難です。最善の方法は、対戦中ずっと相手の行動を観察することです。彼らの行動は今までの行動と一致しているのか?ハッタリなのか、それとも本当に最強のポーカーハンドを持っているのか?を常に考えておきましょう。
オールインすべきでないタイミング
ポーカーのオールインは、キャッシュゲームにおいて最も危険な技のひとつです。そういう意味では、「ここぞ」というときにのみ使うことが基本です。ここでは、オールインすべきでない状況について説明します。
ハンドに絶対的な自信がないとき
もし、自分の手札がテーブルで2番目に強いと感じたら、一般的にオールインするのは避けるべきです。セミブラフのショブは、後のストリートでヒットする可能性があることを除けば、ほとんど同じように危険な行為です。それでも、「勝てる可能性があるかも」というハンドやドローでオールインすることは推奨しません。
アーリーベッティングラウンド
後のストリートで何が起こるかわかりません。プリフロップで自信のある手札が、フロップ後に作られたポーカーハンドに負けるかもしれません。プリフロップでオールインすることは、時期尚早すぎます。テキサスホールデムのようにコミュニティカードを使うゲームでは、フロップ後に配られるコミュニティカードが、オールインへの望みを左右することがあります。
オールインを検討すべきタイミング
オールインポーカーをどのように使うかは、多くの要因の中で、あなたがどのようにポーカーをプレイするかによります。ハンドのプレイ方法はプレイヤーによって異なりますが、オールインすることでポットを獲得できる状況もあります。ここでは、手札に大きく左右されるとはいえ、「最も安全な」オールインの方法をいくつか紹介します。
終盤
ほとんどのポーカーゲームでは、ショーダウン時にオールインするのが最も良いタイミングです。すでにフォールドするには多額を投資しており、一方で他のプレイヤーはコールして勝つチャンスを狙っているかもしれないからです。
デッドマネーがある場合
他のプレイヤーがベットをしないと思われる時にベットすることで、より多くのポットで使えるビッグブラインドの数を得ることができます。とはいえ、ここでオールインするときは、必ずメイクハンド(最低でもペア)を持っているようにしましょう。
まとめ
オールインすることは、大きなスタックを獲得するための究極の手段ですが、これが成功するか失敗するかは、複数の要因に左右されます。上記では、ポーカーゲームにおけるオールインの影響について複数の例を用いて説明しましたが、このような状況でプレイする際にどのように行動するかは、最終的にはあなた次第です。
⭐ ポーカーのオールインムーブの定義は何ですか?
自分のチップを全てポットに投入する行為を指します。ポーカー初心者の場合、特にキャッシュゲームであればオールインすることは推奨しません。時間をかけて、実際に何を意味するのかを学びましょう。
⭐ ポーカーでオールインしたらどうなりますか?
フォールド、コール、レイズの3つのオプションがあります。オールインしたプレイヤーがそのラウンドに一人しか残っていない場合、リレイズすることはできません。
⭐ ポーカーで全員がオールインしたときの勝敗の決め方は?
最高のポーカーハンドがポットを獲得するため、プレイヤーは投資した金額よりも多くのお金を獲得することができます。
⭐ ポーカーでオールインして、誰もマッチングしない場合はどうなりますか?
もし全員がフォールドしたら、オールインしたプレイヤーポットをすべて獲得することになります。他のプレイヤーがコールしたものの、あなたのオールインベットと一致しなかった場合は、サイドポットが作られます。